島の風景に溶け込んだアート作品を展示
岡山県岡山市の犬島諸島唯一の有人島である犬島。50名ほどの住民が暮らすこの島は、銅製錬所の遺構を保存・再生した美術館「犬島製錬所美術館」を中心としたアートの島でもある。
この犬島で毎年夏に開催されるアートイベント「犬島時間」は今年で11回目を迎える。期間は4月26日~5月5日の10日間。参加作家は、第17階岡本太郎現代芸術賞特別賞を受賞した高本敦基氏ら11名。作家たちは、展示にあたって何度も犬島に足を運んで作品制作を行い、島の中に残る古民家や空き地を利用してアート作品を展示する。美術展やギャラリーとはまた違った、自然と島の生活に溶け込んだアートは新鮮かつ懐かしい。
銅製錬所のスラグを利用した犬島ガラス
島内のカフェ&ショップ「白い家」では、地元の野菜や果物を利用したドリンクなどがテイクアウトできる。また、ショップスペースでは犬島時間参加の作家による作品の展示販売も行っている。また、製錬所から出た黒い砂(スラグ/精錬カス)を使用して作る「犬島ガラス」のアクセサリーは深い青緑色が特徴で、犬島時間の開催中のみ販売している。
犬島へのアクセスは定期船のみ。岡山駅から車で30分ほどの宝伝港から定期船で10分ほどの道のりだ。少し遠いからこそ得られる開放感と高揚感。アート作品と島の風景を丸ごと楽しめるイベントだ。

第11回 犬島時間
http://blue-works.jp/inujima/index.html