強い意志で職業画家となった女性
神奈川県横浜市にある横浜美術館では、2016年6月25日(土)から9月11日(日)の期間、日本で35年ぶりの開催となるメアリー・カサットの回顧展を行う。
この展覧会では、カサットの油彩画やパステル画、そして版画の代表作に加えて、交流のあったエドガー・ドガ、ベルト・モリゾといった交流のあった画家たちの作品のほかに、カサットがこよなく愛した日本の浮世絵版画や屏風絵などもあわせて合計約100点を展示する。
展示構成は3章に分かれており、『画家としての出発』、『印象派との出会い』、『新しい表現、新しい女性』という風にその人生をたどって構成されている。くわえて、『桟敷席にて』といった日本初公開の作品も公開される。
メアリー・カサットについて
メアリー・カサット(1844-1926)は、印象派を代表するアメリカ人の女性画家である。カサットが生きた時代はまだ女性の職業画家が少なかったが、困難を乗り越え、画家となる意志を貫いていった女性である。
カサットは米国のペンシルヴェニア州ピッツバーグの郊外に生まれ、21歳のときに画家を志してパリへと渡った。
最初は古典絵画の研究をしていたが、その過程で新しい絵画表現をさがしていく。その後エドガー・ドガと出会い、印象派の展覧会に参加するようになる。
やがて軽やかな筆づかいと明るい色彩で身近な女性たちの日常を描くという、独自の画風を確立していった。カサットは特に、暖かい眼差しで母子の姿を捉え、それが多くの共感を呼び「母子像の画家」と呼ばれるまでになった。
休館日は木曜日であり(ただし8月11日(木・祝)は開館)、開館時間は10:00から18:00(入館は閉館の30分前)までだが、9月2日(金)は20:30まで開館している。

メアリー・カサット展 特設サイト
http://cassatt2016.jp/index.html