「着る人」「着せる人」という新しい視点でファッション史を見る
東京都港区にある東京都庭園美術館では、2016年7月16日より8月31日までのスケジュールに「こどもとファッション 小さい人たちへの眼差し」という展覧会を開催している。
こども服は、こどもの成長が早いと同時に汚すことが多いため、良い状態で保存されている資料が少ないものの、この展覧会では西洋の18世紀から20世紀初頭までの貴重な例にくわえ、明治以降の日本の洋装こども服を展示している。
その他にも絵画、ファッションプレート、絵本、写真といったもの150点余りよりこどもの装いの変遷をたどっている。
「こどもらしさ」の変遷
この展覧会の大きなテーマとして、「『こどもらしさ』は、こどもが作ったわけじゃない」というものがある。
こどもの着る服は、そもそもそれを選んで与える大人たちが選ぶ。そのためその「大人」が「こども」という存在をどう認識しているかが反映されるものとなる。
一人前になるまでの過渡期、として捉えているか、大人とは異なる特性をもつ存在として愛しているのか、のように、その時代や社会によって求められた「こどもらしさ」が伝わる存在となっていくのである。
そのためこの展覧会は、オートクチュールといった作り手側の歴史とは異なり、着る人着せる人の心を読み解くファッション史の展覧会となっている。
休館日は毎月第2・第4水曜日(7/27、8/10、8/24)であり、開館時間は10:00から18:00まで。8/5、8/6、8/12、8/13の4日間は21:00までの夜間開館を行っている。(いずれも入館は閉館時刻の30分前まで)

東京都庭園美術館 こどもとファッション 小さい人たちへの眼差し
http://www.teien-art-museum.ne.jp/