広い視点で集められている展示物
東京都港区にある六本木ヒルズ森タワー53階の森美術館では、2016年7月30日から2017年1月9日までの期間、『宇宙と芸術展 かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ』を行う。
展示物の内容
セクション1は『人は宇宙をどう見てきたか?』という視点から人間の歴史的な宇宙観の一端を資料より推し量る。
レオナルド・ダ・ヴィンチの天文学に関する手稿や、天動説と地動説の論争を巻き起こしたったガリレオ・ガリレイの手帳、ほかにも仏教(密教)世界の世界観である曼荼羅、そして平安時代の宇宙観を感じさせる竹取物語絵巻や、江戸時代の天球儀などといったものまで出品されている。
セクション2は『宇宙という時空間』というテーマになっており、人類が宇宙をどう見てきたかということを天文観測という観点より紹介する。
最近の研究で、11次元あるといわれるようになった宇宙空間の不思議や、わたしたちの時空認識を刷新した天文観測技術の進歩などを現代美術の作品によって表現していく。
セクション3は『新しい生命観 -宇宙人はいるのか?』という視点より見ている。これは隕石・化石等の人間史を超えたいわゆる地球史というものを起点としている。
古くは江戸時代のUFO伝説といわれる「うつろ船の蛮女」から、最先端の遺伝子工学およびA.I.といった技術、そして変わったところでは荒俣宏氏のSF雑誌コレクションといったものまで出展される。
セクション4は『宇宙旅行と人間の未来』という宇宙旅行時代到来間近の現在から、これからの人間と宇宙の関係や、人間の生き方はどう変わっていくのかを、アーティストのビジョンからひもといていく予定である。
複製ではあるが宇宙飛行士の手稿が多数展示されるほか、NASAが2030年に宇宙飛行士4名を火星に1年間滞在させて探索させる計画に向けて実施していた火星住居計画コンペティションで1位となった曽野正之・祐子を含むNYの建築家チームの仮想住居が模型ではあるが、日本で初公開される予定である。
古今東西を問わず広い視点から展示物が集められている、知的好奇心が刺激される展覧会である。期間も長いので行ってみてはどうだろうか。

森美術館 宇宙と芸術展
http://www.mori.art.museum/