大悪人から小悪党までが揃う
東京都渋谷区にある、国内有数の浮世絵専門美術館の太田記念美術館では、江戸の悪人を描いた浮世絵を特集する企画展として『江戸の悪』を2015年6月2日から6月26日まで行う。なお6月8、15、22日は休館日である。
3つに分かれたテーマで展示
テーマは3つに分けられた展示がされる。
1.盗賊・俠客・浪人から小悪党までー江戸の「悪い人」たちが大集合
江戸期には石川五右衛門といった大盗賊や雁金五人男や幡随院長兵衛などの俠客といったアウトローキャラクターが様々な脚色をほどこされた芝居などで人気となった。このテーマでは伝説上・架空の人物双方より大盗賊から小悪党までを扱う。
2.歴史上の悪人たちも勢揃い
日本の歴史上で悪のレッテルを貼られた人物からを扱う。とくに現代でも有名なのは『仮名手本忠臣蔵』にて高師直の名で登場した吉良上野介である。ほかにも菅原道真を陥れた藤原時平、平家全盛を築いた平清盛など、悪のイメージで捉えられた権力者を扱う。
3.悪女・女伊達・ストーカー
江戸期といった文化の成熟期は土手のお六に代表される「悪婆」や、女盗賊・女伊達などの役柄も芝居の登場人物として人気を呼んでいた。ほかにも元祖ストーカーともいえる悪僧・清玄と桜姫といった屈折した恋模様に題材を得た作品を扱う。
東海道四谷怪談からも三代歌川豊国の作品を出展
ほか、見どころとしては、今回は三代歌川豊国の「東海道四谷怪談」が描いた、悪人中の悪人ともいえる民谷伊右衛門とお岩の戸板返しのシーンも展示される。

浮世絵 太田記念美術館 江戸の悪
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/H2706edonoaku.html