現在まで続いている2大茶会のひとつを紹介
東京都港区にある畠山記念館では、2015年6月14日まで春季展『畠山即翁の大師会茶会ー井戸茶碗信長の取り合せー』を行っている。
ほかにも今回は併せて、益田鈍翁(三井物産の創始者であり茶人)ゆかりの茶道具も紹介する。それらにより近代茶人たちの茶の湯に対する熱意、道具を巡る交流などがみえかくれする展示会となっている。
なお5月31日の午後3時および、6月10日の午前11時には学芸員による主要作品の解説が約20分で行われる。
大師会概要
大師会とは「西の光悦会、東の大師会」と称されるように、現在まで続いている2大茶会のひとつである。
益田鈍翁が明治28年に弘法大師(空海)筆の「崔子玉座右銘」を入手したので、翌年それを披露するために、大師の縁日にあたる3月21日に品川御殿山自邸で茶会を開いたことに端を発す。
今年は弘法大師の高野山開創から1200年であると同時に、鈍翁の「崔子玉座右銘」入手から120年にあたる節目の年ため、即翁が昭和12年に使用した大師会の圓成庵席の道具組を、茶会記を参考にしつつ可能な限り再現している。
くわえてこの茶道具は信長・秀吉・利休をも意識した豪華な取り合わせになっている。
なお大師会の茶席を担当することは茶人としてのステータスともなっており、畠山記念館の創設者畠山即翁は昭和12年4月21日に音羽護国寺で開催された大師会茶会で初めて茶席を担当し、戦後は大師会の会長も務めている。

畠山記念館 展覧会情報
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