150点の浮世絵名品を展示
東京都中央区にある三井記念美術館では、2015年8月16日まで特別展の『錦絵誕生250年 フィラディルフィア美術館浮世絵名品展 春信一番!写楽二番!』を行う。開館時間は10:00から17:00(入館は16:30)まで。休館日は月曜日となる。なお会期中は展示替えを行う。
「錦絵」を中心とした構成
浮世絵が多色刷りの版画の形態をとったのは、今から250年前である。それは色鮮やかで錦のように美しいことから「錦絵」と呼ばれ、人気を博した。
錦絵は、浮世絵師の鈴木春信を中心とするグループにより生み出された、多色摺木版画の新しい技術である。
江戸時代は人々の暮らしにゆとりが生まれ、様々な町人文化が花開いた時代でもある。江戸の繁栄とともに発展し、大衆に愛されたのが浮世絵だが、カラーの印刷物を庶民が楽しむということは世界にも稀な事象であった。
明治以降は西洋の人々にも愛されるようになったため、浮世絵は現在、世界各地の美術館に所蔵されている。
フィラデルフィア美術館の協力による展示
今回は130年の歴史を誇る全米屈指の美術館であるペンシルベニア州のフィラディルフィア美術館の協力により、4000点以上もの浮世絵すべてを調査する機会を得ることができた。
その成果として錦絵誕生250年というメモリアルイヤーでもある2015年に、そのうち150点の展示ができることになった。
浮世絵初期の稀少な鳥居派の役者絵から、黄金期の鳥居清長、喜多川歌麿の美人画や、葛飾北斎、歌川広重といった名所風景画まで、代表的な絵師たちの名品を見ることができる。
とくに鈴木春信の作品30点は保存状態がよいものを閲覧することができるほか、東洲斎写楽の大首絵10点が勢揃いする。

三井記念美術館 開催中の展覧会
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html