20世紀を代表するイギリスの陶芸家ルーシー・リー
千葉県千葉市にある千葉美術館では現在、『没後20年 ルーシー・リー展』が2015年8月30日まで開かれている。開館時間は10:00から18:00までだが、金・土曜日は20:00まで開館している(入館時間は閉館の30分前まで)。
初期から晩年にかけての足跡を一挙に展示
この展示会はルーシー・リーの没後20年をきっかけに、初期から晩年に至約200点の作品で、彼女の足跡をたどり、その魅力に迫るものとなっている。
展示品大半が日本では初公開の作品というだけでなく、今回新たに発見されたウィーン時代の作品も見ることができる。
生い立ちおよびその活躍
ルーシー・リー(1902-1995)はウィーンの裕福なユダヤ人家庭に生まれ育った。当時ウィーンでは、画家グスタフ・クリムトや建築家ヨーゼフ・ホフマンに代表される、造形芸術の新たな動向が芽生えてきていた時期だったため、ルーシー・リーもこれに触れ、影響されながら育っていった。
やがて、ホフマンも教鞭をとったウィーン工業学校で1921年より学びはじめ、ここで轆轤(ろくろ)の面白さに目覚め、魅了されていく。やがてルーシー・リー様式ともいえるモダンかつ、情緒豊かな器物型スタイルを打ち立てていくのである。
その後はさまざまな展覧会で活躍しつつも、ヨーロッパにおとされた戦争の暗い影により、1938年にイギリスへの亡命を余儀なくされる。以後彼女は、1990年に病気に倒れるまで、半世紀以上ロンドンで制作を続けた。なお1991年に彼女は大英帝国勲章を受章している。

没後20年 ルーシー・リー展
http://lucie-rie.exhn.jp/