鈴木春信が確立させた技術
東京都渋谷区にある浮世絵専門の美術館である、浮世絵太田記念美術館では、2015年9月27日までの日程で、『錦絵誕生250年記念 線と色の超絶技巧』を行っている。
休館日は毎週月曜日(月曜が祝日の場合は開館し、翌火曜日が休館日となる)だが、9月の展示は4日から後期日程がはじめるため、1日から3日までは休館日となっている。
ほかにも9月は祝日が21日から敬老の日と国民の祝日、秋分の日と続くため、24日が振り替えの休館日となる。開館時間は10:30から17:30まで(入館は閉館の30分前まで)である。
「錦絵」とは、浮世絵師の鈴木春信が1765年(明和2年)に確立させた多色摺木版画のことをいい、今年でちょうどその年から250年を迎える。浮世絵が世界で人気を集めた理由のひとつに、「錦絵」の技術のすばらしさがある。
そのため同展示会では、浮世絵誕生250年を記念して、浮世絵版画における超絶技巧にスポットをあて、普段は意識されることが少ない彫りや摺りの技に着目し、浮世絵の新たな魅力を発見させている。
彫師や摺師が仕上げていく錦絵のすばらしさに着目
錦絵での彫師の技で着目するべきは、まず日本髪、そして着物の柄、刺青といった細かい部分だろう。1ミリ以下のディテールに彫師がこだわり、彫り上げている。
そのほかにも摺師の技をあげるとすると、鮮やかな色や淡いグラデーションを駆使して華やかな画面を作りあげるといったものである。それは有名な葛飾北斎の冨嶽三十六景の色や、東洲斎写楽の背景に多く見られる銀色に輝く背景といったものがある。
そして浮世絵であるが、北斎や広重といった絵師たちの名前ばかりが注目を集めているが、今回の錦絵展では小泉巳之吉や、横川竹二郎といった浮世絵版画にサインを残すほど実力のあった名工を紹介する。
さらに現代の技にも着目し、アダチ版画伝統木版画技術保存財団は、現在の画家やデザイナーたちとコラボレーションすることにより、新たな木版画作品を生み出していることも紹介をする。
(画像は浮世絵太田記念美術館ホームページより)

浮世絵太田記念美術館 錦絵誕生250年 線と色の超絶技巧
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/