シリーズ第10弾ははなやかな桃山美術
東京都千代田区丸の内にある出光美術館では、2015年10月12日までの日程で「日本の美・発見10 躍動と回帰 -桃山の美術」を行っている。休館日は月曜日だが、月曜日が祝日および振替休日の場合は開館している。
開館時間は10:00から17:00まで。毎週金曜日は19:00まで開館している。(入館はいずれも閉館の30分前まで)
政治史とは違う区分にて美術的な特徴をとらえる展覧会
戦国時代のただなかにあった日本の16世紀末から17世紀初頭にかけてだが、その時代も末期になっていくと、武将の好みを反映しつつ、躍動感に富んだ魅力的な造形が数多く生み出されていった。
桃山時代は、政治史の上では豊臣秀吉が没する1598年まで、もしくは徳川家康が江戸に幕府を開く1603年までと区分されているが、この展覧会は区分を政治では行わず、桃山美術的な特徴をもつもので分類を行っている。
展示の構成は全部で6つの章と、特集コーナーに分けて行う。
桃山美術は世界的に見て欠点と見られるような表現が『美』として昇華されていった。茶器や壺、甕(かめ)では「歪み」といったものや、絵画では「平らかさ」といったものに美としての感覚がおかれていたのである。
ほかにも草木や花鳥をモチーフとした水墨による花鳥画が作られていたのにくわえ、そのテーマによってこまやかな焼き物が作られていた。
さらにこの時代はポルトガルやスペインから外国人が多く訪れていたのだが、桃山時代より前は「時間的・空間的に遠い人物は水墨で描く」というルールがあったものの、この時代はそのルールも革新が行われ、非常にあざやかな絵具を使用して描かれていたりもした。
そしてこの時代は風俗画というものが非常に隆盛していた。そのためこれは桃山時代の絵画を象徴するテーマとなっている。だがもとをたどればこれは「やまと絵」の主題である。
絵師たちは本来ならば自分たちの立場から遠いところにあるものを学んだ上で、新たな表現を切り開いていかなければ生き抜いていけなかったという厳しい側面もあらわしている。
そして特設コーナーの南蛮蒔絵は、世界と交わりをはたし、栄えていた桃山時代の特徴をとらえるものである。
(画像はホームページより)

出光美術館 最新の展覧会
http://www.idemitsu.co.jp/