増上寺が本殿の地下一階に宝物展示室を作った記念企画第2弾
東京都港区にある徳川家の菩提寺である増上寺では、徳川家康没後400年にあたる2015年4月に、本堂の地下1階に宝物展示室を開館した。
現在開館第2弾の企画として、幕末の絵師である狩野一信が描いた、増上寺所蔵の仏画「狩野一信の五百羅漢図展」が行われている。
なお現在はイベント後期日程の2016年1月1日から3月13日までの後期展示期間にあたり、第41幅から第60幅が見られる。
この五百羅漢図は、東日本大震災直後に江戸東京博物館にて全100幅が初公開され、翌2012年にはアメリカのスミソニアン博物館でも公開されたこともあり、日米で大きな話題となった。
五百羅漢図のエピソード
羅漢は釈迦の弟子として悟りを開いた人物である。そのため人々を救済する存在として長く信仰されてきている。
一信は、様々な過去の羅漢の作例を踏襲しつつ、2幅に10人ずつ、計500人もの羅漢を描くという100幅の構想を打ち立てた。しかし完成まであとわずかといったところで亡くなってしまったのである。
残っていた4幅は、妻の妙安および弟子の一純らがその部分を補って完成させたうえで文久3年(1863年)、増上寺に奉納されたという背景がある。なお、2015年の徳川家康の没後400年に続き、2016年は一信生誕200年というメモリアルイヤーにあたる。
休館日は毎週火曜日(火曜が祝日の場合は開館)で、開館時間は10:00から16:00までである。

増上寺宝物展示室
http://www.zojoji.or.jp/takara/狩野一信の五百羅漢図展
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