少女を描く孤高の画家
少女の美を描き続けた画家バルテュスの展覧会「バルテュス展」が、東京都美術館で 6月22日(日)まで開催されている。
バルテュスはポーランド貴族の血を引くフランスの画家。美術史家の父、画家の母と兄という芸術的環境で育ち、古典絵画にふれながら独学で画力を身に付けた。20世紀にはさまざまな美術流派が誕生したが、そのどれにも属さず、独自の芸術をつくりあげていった。日本人の節子夫人を妻としたこともあり、日本とのかかわりも深い。
本展は、節子夫人の全面的な協力を得て実現した、国内初かつ最大規模の回顧展。世界的な美術館のコレクションに加え、普段は目にすることの少ない個人像の作品が一堂に会する。
ルブタンとのスペシャル・コラボによるサンダルも
バルテュスは生涯にわたり少女を描き続けた。少女はバルテュスにとって“この上なく完璧な美の象徴”であり、そうした少女の肖像がバルテュスの美の真骨頂である。扇情的なポーズがとられることもあり、誤解をうけることも少なくなかったが、“危うい均衡の上に成り立つ「美」”こそがバルテュス作品の魅力である。
また、バルテュス夫妻は、ファッションデザイナーのクリスチャン・ルブタン氏とも交流。生前、バルテュスに贈ったスリッパを再現したい、と節子夫人がルブタン氏に相談し、特別にデザインされたサンダルが誕生した。展覧会の会期中、会場にて20足限定で販売されている。

バルテュス展
http://balthus2014.jp/