記録媒体から芸術に
東京都千代田区にある三菱一号館美術館では、2016年7月2日(土)から9月19日(月・祝)までの期間、「From Life -写真に生命を吹き込んだ女性 ジュリア・マ-ガレット・キャメロン展」を行う。
この展覧会は生誕200年を記念して行われる、日本では初の回顧展である。
ジュリア・マーガレット・キャメロンは1863年末に初めてカメラを手にした。そのジュリアの功績は、それまで記録媒体としてしか利用されなかった写真を、芸術の次元にまで引きあげようと試みた、写真史においては重要な位置にある女性である。
独自の表現を発展させていった写真家
なおその生涯を通じて追究する主題は「肖像」「聖母群」「絵画的効果をめざす幻想主題」というものがある。
キャメロンは1865年、より大型のガラスネガに対応する二代目のカメラを手にし、当時の主流であったモデルの容貌を克明に写し取るものではなく、モデルの頭部を思い切ってクローズアップする独特の肖像写真の表現を発展させる。
そしてその写真は、外見的な特徴ばかりではなく内面の偉大さも記録しようと試みていた。
くわえてキャメロンは、通常ならば欠陥とみなされかねない不規則な出来映えを取り入れ、独自の表現を発展させていく。
すなわちソフトフォーカスを多用して、ひっかき傷をつけたネガを用いる一方、複数のネガから一枚の写真を仕立てるという、当時からは異例ともいえる作品の作り方であったため、「アマチュアならではの未熟さ」の証明だ、と批判もされた。
しかし制作者の手の跡をあえて残す展などは、次世代の表現と共通性を見ることができた。
休館日は毎週月曜日(祝日と9月12日は開館)であり、開館時間は10:00から18:00(金曜および第2水曜、くわえて会期最終平日は20:00まで)であり、最終入館は閉館の30分前までとなっている。

From Life 写真に生命を吹き込んだ女性 ジュリア・マーガレット・キャメロン展 公式サイト
http://mimt.jp/cameron/