柳田國男の研究の本質に近づく展示
千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館の第4展示室では「柳田國男と考古学 -柳田考古遺物コレクションからわかること-」の展示を2016年10月10日(月・祝)までの期間、行っている。
柳田國男(1875-1962)は、日本で「民俗学」という学問を確立させた人物である。それは「日本人」の生活の歴史的変遷を、同時代の人々の生活に息づく伝承を素材とする独特の方法で明らかにする学問である。
そして民俗学は古文書を資料とする歴史学や、出土遺物を資料とする考古学の方法論的限界を指摘する学問でもあった。
こういったことから柳田國男は歴史学嫌い、考古学嫌いとみなされていた。しかし民俗学を生み出した背景には歴史学や考古学に対する広い関心と深い理解が横たわっていたことは今回展示する「柳田國男旧蔵考古資料」といったものを見ても無視できないものと考えられる。
柳田國男の考古資料を通して『柳田國男』を再考する
展示では、初公開となる「柳田國男旧蔵考古資料」を通して、柳田と考古学の関係を今一度見つめ直すものとなっている。
なおその内容は、打製石斧10点・柳田國男の名詞箱とそれに入った石器および化石14点、明治39年東京日々新聞とそれに包まれた石器4点といったものがふくまれる約200点である。
現在国立歴史民俗博物館が所蔵している柳田の資料である「柳田國男旧蔵考古資料」だが、柳田の子息、為正氏が世田谷区成城にある中の原書店に寄贈したものを、2004年に収蔵したものだ。
休館日は月曜日(休日の場合は開館し、翌日を休館日とする。ただし8月15日は開館)であり、開館時間は9月30日までは9:30から17:00までとし、10月1日からは9:30から16:30とする。なおどちらも入館は閉館の30分前までである。
国立歴史民俗博物館 特集展示 「柳田國男と考古学-柳田考古遺物コレクションからわかること-」
https://www.rekihaku.ac.jp/