110点もの作品をいちどに鑑賞することができる展覧会
栃木県宇都宮市にある宇都宮美術館では、企画展の『パウル・クレー だれにも ないしょ。』を2015年9月6日までの会期で行っている。
休館日は月曜日で、開館時間は9:30から17:00までだが、8月11日から16日までは19時まで開館している(入館はそれぞれ閉館の30分前まで)。
パウル・クレー(1879-1940)は、20世紀の画壇に足跡をしるしたスイスの画家である。今回の展示は31点の日本初公開作品と、日本国内の優品も加えた110点あまりを公開している。
なおこれらのうち40点はクレー自身が「特別クラス」と指定して、非売せず愛蔵していた作品である。
「秘密」といった神秘性を愛した画家
クレーがとくに愛したテーマは「秘密」というものであり、童心の神秘や、魔的なものの華やぎおよび世界の謎といったものを精彩に映し出していた。
このようなテーマを扱っていたがゆえ、秘密に近づくための合図も絵にそれとなく忍ばせてもいた。それによって解読できそうになっている反面、絵は身をかわすように離れていき、最後にはけっきょく解けない謎として仕上げられている。
これは「この世で僕をつかまえることはできない」というクレーの言葉がその意味を端的に表している。そのクレーの跡をたどるように企画展では6つのテーマをもうけ、クレーの思考と感性へ分け入っていく。

宇都宮美術館 企画展『パウル・クレー だれにも ないしょ。』
http://u-moa.jp/exhibition/exhibition.html