北斎が“帰還”するという意味
2016年11月22日にオープンしたばかりのすみだ北斎美術館では、開館記念展として『北斎の帰還 - 幻の絵巻と名品コレクション』が2017年1月15日まで開催されている。
今回、開館記念として行われたタイトルには二つの意味が込められている。1つは約100年あまりも行方知れずになっていた幻の絵巻である「隅田川両岸景色図鑑(すみだがわりょうがんけしきずかん)」が、2015年に再発見され、海外から日本へ里帰りしたことを意味している。
そしてもうひとつは、誕生の地である“すみだ”へ、生誕の地であるすみだに北斎専門の美術館が建つことにより、世界中に散逸していた北斎の作品が帰還することを意味している。
この2つからの北斎の帰還を祝い、展覧会では序章「北斎のイメージ」、1章「北斎の描いたすみだ」、2章「幻の絵巻-隅田川両岸景色図鑑-」、3章「名品ハイライト」の構成で展示を行う。
葛飾北斎とは
葛飾北斎(1760-1849)は日本のみならず、世界でも高い評価を受けている浮世絵師である。
だが絵を書くこと以外は無頓着な人間としても知られており、家が汚くなったら引っ越しをする、ということをしていたため、生涯で93回の引っ越しをしたという奇妙なエピソードも残っている。
さらに北斎は江戸時代の人間ながら、享年90という珍しく長命な人物であった。その人生のほとんどを現在の墨田区内で過ごしつつ、それこそ一心不乱に絵を描いていたため優れた作品を数多く残したのである。
休館日は毎週月曜日(月曜日が祝日や振替休日の場合その翌日が休館日となる)、および年末年始(2016年12月26日から2017年1月1日)で、開館時間は9:30から17:30(入館は閉館時間の30分前まで)である。
(画像はすみだ北斎美術館トップページより)

すみだ北斎美術館 開催中の展覧会より
http://hokusai-museum.jp/modules/Exhibition/