刀剣がわかりやすく楽しめる展示がコンセプト
東京都八王子市にある東京富士美術館では、前期展示を2016年3月29日(火)から5月15日(日)まで、後期展示を2016年5月18日(水)から7月3日(日)として、東京富士美術館所蔵名品を展示する展覧会「ザ・刀剣 千年の匠の技と美」を開催している。
この展覧会は、平安時代から現代まで東京富士美術館が所蔵している重要文化財3口を含めた40口の日本刀を紹介し、刀身を間近で鑑賞できる機会を作っている。
くわえて刀装具や武具甲冑、屏風や絵巻、浮世絵などの合戦絵・武者絵などの絵画のほか書画も展示し、刀剣美の世界と魅力をわかりやすく紹介している。
日本刀成立とその発展
大陸から鉄器が伝来したのち、日本に刀剣がもたらされ、そして平安時代後期に精密な鋳造と緩やかな反りを保つ独自の刀剣である日本刀が伯耆国安綱の時代に完成し、日本独自の美として千年にわたり育まれてきた。
鎌倉時代になって武家政権が確立し、武士の文化が成熟していく過程で日本刀は黄金時代を迎える。鎌倉武士の美意識を反映し、各国各派の投稿によって鍛錬・焼入れ技法が発達していき、山城、大和、備前、相模を中心として数々の名工が生まれた。なおこの中でも備前福岡一文字派は特に華麗な作成で知られた。
そのあとの南北朝時代には、この時期に起きた戦乱の影響を受け、刀長3尺(約90cm)以上もある豪壮な造りの太刀が流行する時期などもあった。
戦国時代を経て、江戸時代となり天下泰平の時代を迎えると、刀は幕府により武士の大小二本指しが規定されたほか、刀は宝物および贈答品という性格を強めていった。なおそのころに刀工が活躍した中心地は江戸と大坂であった。
しかしその後明治政府によって1876年に廃刀令が発せられ、第二次世界大戦後、1946年にGHQによって銃砲等所持禁止令(1958年に銃砲刀剣類所持等取締法となる)が発布されたため、日本刀はほぼ美術品のひとつとして取り扱われているのみとなった。
休館日は毎週月曜日(祝日は開館し、翌日の火曜日が振替休日)であり、開館時間は10:00から17:00(入館は16:30まで)となっている。

東京富士美術館 開催中の展覧会
http://www.fujibi.or.jp/