20世紀ならではの手法で描かれた作品たち
神奈川県横浜市にある横浜美術館では、2016年6月5日(日)までの期間、『複製技術と美術家たち -ピカソからウォーホルまで』を行っている。
この展覧会の作品は横浜に主要拠点をもつ富士ゼロックス版画コレクションと横浜美術館が共演し、版画、写真、書籍といった複製技術を用いた多彩な作品と、油彩画や彫刻といった伝統的なメディアによる作品を合わせた約400点を展示する。
20世紀には、写真印刷や映像などの「複製技術」が高度に発達・普及し、誰もがこの複製を通して美術を楽しむことができる時代となった。
そのため展覧会では、この時代、ピカソを始めとした欧米を中心とする美術家たちが、どのような芸術のビジョンをもって作品を作っていったかというものに焦点をあてている。
二度の世界対戦のさなかで
それはキュビズムやフォーヴィズムなどの空間と色彩の新しい表現に始まった。
そして第一次大戦後に広まった伝統的な美の概念を覆すダダ(反芸術)の動きや、中傷的な様式を確立して理想の社会を目指すバウハウスやロシア構造主義、そして無意志の探求により人間を解放しようとするシュルレアリスムがある。
さらに第二次世界大戦後には大量消費社会を反映させたポップ・アートが現れたほか、1960年第にはゼログラフィー(電子写真・複写技術)が美術作品に導入されていった。
こうした20世紀の美術史を、「複製技術」という時代背景から見直すことで、二度の世界大戦のさなか芸術作品の危機に対する美術家たちの挑戦として読み解くのがこの展覧会の狙いである。
休館日は毎週木曜日で、開館時間は10:00から18:00(入館は閉館の30分前まで)となっている。ただし開館日および開館時間は展覧会によって異なる場合があるため、詳細はその都度確認してほしいとのことだ。
複製技術と美術家たち -ピカソからウォーホルまで 特設サイト
http://yokohama.art.museum/