20点ほどの国内未公開品やオルセー美術館所有のデッサンなども公開
東京都港区にあるサントリー美術館では、2016年8月28日(日)までの期間、オルセー美術館の特別協力により、『生誕170周年 エミール・ガレ』展を行っている。
この展覧会は、ガレの創造性をその源となった5つの柱から捉えなおし、その頂点を探ることを試みとしている。
展示物も国内有数を誇るサントリー美術家のガレ・コレクションから選りすぐりの100件が一堂に会すると同時に、国内の未発表作品約20件を公開することとなった。
くわえてオルセー美術館の特別協力で、日本初出品となるガラス器や、ガレの鋭い洞察力や制作過程を示す重要なデッサン類約40件も展示される。
アール・ヌーヴォーの時代に生きたガレ
ヨーロッパの都市部を中心として19世紀から20世紀初頭にかけて新しい芸術としてわき起こった運動が『アール・ヌーヴォー』である。
これは絵画や彫刻・建築に限らず、生活の隅々にまで良質な芸術性を求めていたため、幅広いジャンルの美術工芸品を発展させ、結果人々の暮らしを豊かに彩った。
こうした動きの中でフランス東部ロレーヌ地方の古都ナンシーにて、ガラス・陶器・家具において独自の表現世界を展開したのがエミール・ガレ(1846-1904)である。
ガレの作品は詩的かつ幻想的であり、象徴的な表現世界を持っていたため、器やテーブルも形こそ用途を保ってはいたが、そこに留まらない強いメッセージ性を放っていた。
この芸術性は愛国心や異国への憧憬、また幼い頃から親しんだ植物学や生物学、文学などからの像市に裏付けがある。
なお作品の保護のため、会期中に展示替がある場合がある。
休館日は毎週火曜日であり、開館時間は10:00から18:00となっているが、金・土曜日および7/17、8/10は10:00から20:00までとなっている。(いずれも入館は閉館30分前まで)
サントリー美術館 開催中の展覧会
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_3/