現代まで「妖怪」というものが身近に伝わり続ける意味をさぐる
茨城県北茨城市にある茨城県天心記念五浦美術館では、2015年8月30日までのスケジュールで『異界へのいざないー妖怪大集合ー』の展覧会を行っている。
休館日は月曜日(7月20日は開館し、かわりに7月21日が閉館)で、開館時間は9:00から17:00(入館は16:30まで)である。
夜の暗闇というものや、人知を超えた奇妙な現象というものは昔から人々に畏怖や恐怖をもたらしてきていたため、それは古来より様々な妖怪話として、民間の伝承や説話という形として語り継がれてきた。
江戸時代には、浮世絵といった大量印刷メディアが発達したため、妖怪はそのビジュアルとともに民衆に広く紹介されていったのだが、このような表現は現代のマンガやアニメーションなどに受け継がれてきている。
この展覧会では古くは百鬼夜行絵巻といったものから、歌川国芳の浮世絵や、河鍋暁斎、小川芋銭らの日本画、近年では水木しげるの妖怪画と、近世から現代に至る「妖怪」を描いた絵画を紹介し、日本人にとって今日まで妖怪が身近な存在としてあり続ける意味を探る。
映画の上映やおはなし会といった体感型のイベントも
展示のほかにも2005年に制作された映画「妖怪大戦争」の上映会を行うだけではなく、この撮影時に使用した着ぐるみによるジオラマの特別展示も行われる。
くわえて、この映画の撮影で使われたマスクを被り、記念撮影を行う「あなたも妖怪に変身」というイベントもある。日時は8月2日、15日、22日の13:00から15:00まで。
さらに8月8日には学芸員により13:30から行う1時間程度のギャラリートーク、8月9日には「妖怪おはなし会」を11:00と14:00の2回行うほか、8月22日には「妖怪ツアー」と称した日没から行う夜のギャラリーツアーもある(こちらは往復はがきによる申し込みが必要)ように、これらのイベントで人が伝えていく妖怪話というものが体感できるようになっている。

茨城県天心記念五浦美術館 企画展「異界へのいざないー妖怪大集合ー」
http://www.tenshin.museum.ibk.ed.jp/