没後100年を記念し、30年ぶりの回顧展
神奈川県横浜市にある神奈川県立歴史博物館では2015年11月8日までの会期で、『平成27年度特別展 没後100年 五姓田義松 -最後の天才-』を開催している。
今回はその生き様をリアルに伝える家計簿や販売記録、文書資料などもそろっており、それらが初公開となっている。
休館日は毎週月曜日(10月12日、11月2日は開館)で、開館時間は9:30〜17:00(入館は16:30まで)となっている。
10歳のころから洋画を学ぶ
五姓田義松は、幕末期である1855年(安政2年)に生まれ、明治期に活躍した画家である。もともと父親の五姓田芳柳が浮世絵師であるのと同時に洋画家でもあったため、洋画を学ぶ素地があった。10才のとき、チャールズ・ワーグマンに師事し、洋画を学んでいた。
義松は10年も満たずして洋画の技術を習得してしまい、時代は西洋文化礼賛の明治時代といういこともあり、義松は皇室や政府からさまざまな依頼をうけ、洋画家のトップランナーとなっていた。
そして明治13年に自分の力量を測るためパリにわたると同時に、名声を獲得していた。しかしその後は流行のうつりかわりの速さに義松の名声はほぼ忘れられてしまい、現在では知る人ぞ知る作家となってしまった。
100年ぶりに里帰りする作品や初公開の文書なども
そのような状態であるため、この展覧会は謎多き生涯および実像を800点を超える作品や資料などから明らかにする約30年ぶりの大回顧展となっている。
さらにこれまで幻となっていた水彩画など63件も一挙公開となっている。これは同館のコレクションから分かれて、およそ100年ぶりの里帰りとなっている。
博物館はみなとみらい線の駅からすぐの場所にあり、アクセスしやすいこともあるので横浜旅行などのときに寄ってもいいだろう。
(画像は展覧会ホームページより)

神奈川県立歴史博物館 『平成27年度特別展 没後100年 五姓田義松 -最後の天才-』
http://ch.kanagawa-museum.jp/