地中海で見つかった最古の金製品
東京都台東区上野公園内にある、国立西洋美術館では、2016年1月11日までの日程で、「黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝」を行っている。
今回の展覧会では、出土状態の墓地を復元展示しているが、これは40年ほど前に黒海沿岸の町ヴァルナにて発見された、大量の金の副葬品をおさめた墓だ。
くわえて地中海地域の古代文明がもたらした金細工の傑作にくわえ、アルゴー号の冒険にはじまる金を題材とする絵画も展示している。
ギリシャ神話にある「アルゴー号の冒険」は黄金の羊の毛皮を求めてイアソンをはじめ数多くの英雄が登場する物語として有名である。
イアソンは難所とされるボスポラス海峡をアルゴー号に乗って越え、黒海沿岸にある王国へたどりつき、黄金の羊毛を手にしたとされている。
アルゴー号の冒険の元となったものは
墓地から発見されたもの、それはエジプト最古のピラミッドにおさめられていたものよりもはるか前の、現在より6000年以上も前に作られた世界最古の金製品だった。
埋葬者は骨と化していたが、金の杖を携えると同時に大ぶりの金の腕輪をいくつもはめており、さらに骸骨のまわりに円形の金がちりばめられていた。
それら太古に加工された金製品が、アルゴー号伝説の誕生にかかわっていたと考えられる。
そしてその後3000年の時を経て、比類のない金細工技術をほこったエトルリア文明がイタリア半島に花咲くこととなった。
星座にもなった伝説の大元を間近で味わうことができる珍しい機会だ。足を運んでみてはどうだろうか。
休館日は毎週月曜日(11月23日、1月4日、1月11日は開館)と、12月28日から1月1日まで。開館時間は9:30〜17:30(毎週金曜日は20:00まで開館)で、入館はいずれも閉館30分前まで。
(画像はホームページより)

国立西洋美術館 開催中の展覧会
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2015gold.html