シカゴから日本へ里帰りの展覧会
東京都台東区の上野公園内にある、上野の森美術館では2015年1月17日までの期間、『シカゴウェストンコレクション 肉筆浮世絵 -美の競艶』が開かれている。
会期は前期・後期に分かれており、前期展示は2015年11月20日〜12月20日まで、後期展示は2015年12月22日〜2016年1月17日となっている。
休館日は毎週月曜日および2016年1月1日だが、11月23日と1月11日は開館している。
ロジャー・ウェストン氏とは
この展覧会は日本美術収集家であるロジャー・ウェストン氏の協力によって行われているのだが、今回公開される約130点の絵画はどれも逸品ぞろいである。
ロジャー・ウェストン氏の日本美術収集活動は30年の長きにわたり、絵画だけではなく印籠・根付・漆器にまでおよぶ1000点を超えるコレクションがある。とくにここ数年は肉筆浮世絵情熱を傾けて収集していたという背景もある。
肉筆浮世絵とは
肉筆浮世絵とは、絵師が絹や紙に筆で直接書いたものをさし、版画で刷り上げる浮世絵とは異なるものである。
一点物である肉筆浮世絵は、当初は大名といった権力者からの依頼が多かったため、大画面の屏風絵などだったが、その後民間の富裕層からの依頼が多くなっていったため、歌舞伎や遊里も描かれるようになっていった。
これら絵師たちが腕をふるった肉筆浮世絵には、浮世絵では見られない髪の生え際の細やかな表現や、着物の文様までが美しく再現されている。
なお作品展示の際には、透明度が高く反射が少ないアクリルパネルを使用しているのだが、奥行きのない約30〜40cmのケースを使用していることにくわえ、LED照明に薄型で面発光の有機EL照明を使って作品を保護しているため、通常の展覧会では見ることのできない細かい部分の鑑賞もできるだろう。
(画像はホームページより)
上野の森美術館 肉筆浮世絵 -美の競艶
http://weston.exhn.jp/midokoro/index.html