20年ぶり3回目の回顧展
東京都千代田区にある東京国立近代美術館は、2016年1月13日から2月28日までの期間、恩地孝四郎展を行う。
この展覧会は、日本における抽象美術の父であり、くわえて木版画を近代化させ、表現者として時代を先駆けていた恩地孝四郎の過去最大規模の20年ぶり3回目、そしてこの美術館では40年ぶりとなる回顧展となっている。
その広い活動ぶりを、版画250点を中心に、過去最大規模となる出品数約400点で紹介する。恩地は海外から評価が高く、多くの作品が海を渡ったが、今回の回顧展にあわせ、大英博物館・シカゴ美術館・ボストン美術館・ホノルル美術館といった海外の美術館からの里帰り展示62点も展示する。
作品は心の内側の表現だった
恩地はまだ抽象美術、という名をもたなかったころから、心の内側を表現することに生涯をかけた人物である。
10代のころは竹久夢二にあこがれ、やがて1914年に田中恭吉・藤森静雄とともに木版画と誌の同人誌である『月映』を創刊させ、表現者の道を歩み始めた。
創作領域は一般によく知られている木版画だけではなく、油彩、水彩・素描、写真、ブックデザイン、詩作までに及んでいる。現代でその姿をたとえると、マルチクリエイターと言ったところだ。
戦後はGHQ関係者として来日した外国人コレクターたちの理解と励ましを得て、抽象美術に専念した。そのため晩年の10年間に作られた版画作品の版数以上が海外の美術館やコレクターの手に渡った。
(画像はホームページより)

東京国立近代美術館 恩地孝四郎展
http://www.momat.go.jp/