生誕290年を記念しての展覧会
東京都渋谷区にある浮世絵 太田記念美術館では2016年2月2日(火)から3月27日(日)まで、『特別展 生誕290年記念 勝川春章 -北斎誕生の系譜』を開催する(生年を1726年とした場合)。
展覧会は前期と後期で展示替えがあり、前期は2月2日から2月28日までで、後期は3月4日から3月27日までである。
勝川春章は、似顔絵を用いた写実的な作風で描き、一世を風靡した浮世絵師である。春草が絵師として活躍を始めた時期は遅くて、40代前後と考えられている。
それまで主流だった鳥居派の役者絵とは異なり、役者の似顔をリアルにとらえていただけでなく、人体や衣服にもリアリティを追求して描いていた。
多彩なジャンルを手がけた浮世絵師
その後は、そのジャンルにも飽き足らず、美人絵、武者絵、相撲絵といった多彩なものを手がけていた。くわえて晩年には緻密な肉筆美人画を手がけたことでも知られている。
なお春章の門下に春好、春英、春潮といった人気の浮世絵師が出て活躍したこともあり、勝川派は浮世絵界で大きな勢力を誇った。
世界的に有名な浮世絵師の葛飾北斎も、若い頃春章の門を叩いて、勝川春朗という名前で活躍していた時期がある。
くわえて東洲斎写楽や歌川豊国といった浮世絵師も春章から多大な影響を受けていた。そのため春章の存在なくしては北斎や歌麿といった浮世絵師は世に出ることはなかったといえる。
なお休館日は2月8、15、22、29日/3月1、2、3、7、14、22日で、開館時間は10:30から17:30(入館は17:00まで)である。
(画像はホームページより)

浮世絵 太田記念美術館 特別展
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/