日本で初の大回顧展
東京都台東区の上野公園内にある東京都美術館では現在、2016年4月3日(日)までのスケジュールでボッティチェリ展が行われている。
サンドロ・ボッティチェリは15世紀から16世紀のはじめに活躍していた画家で、フィレンツェ・ルネサンスを代表する画家である。
もともとボッティチェリの作品はほとんどが板に描かれていたこともあり、まとまった数の来日は叶わなかった。
しかしこの展覧会は、2016年が日本とイタリアが国交を樹立して150周年ということもあり、イタリア政府の全面的な協力があったため、日本ではじめての大回顧展が実施されることとなった。くわえて今回は傑作『書物の聖母』が初来日する。
幅広いジャンルを描いた画家
ボッティチェリは優雅で美しいヴィーナスや、聖母と言ったものを多く画題にした画家であるが、神話画から大型の祭壇画、個人の肖像画までと幅広いジャンルを手がけていた。現在、その絵画はイタリアをはじめ、世界各国の美術館に所蔵されている。
なおボッティチェリの洗練された画風はフィレンツェの支配者メディチ家をはじめとして、教養があるパトロンたちに大いに好まれた。なお工房からはフィリッピーノ・リッピといった有能な弟子が輩出されている。
象徴的な様式をつらぬき自分の世界を作り上げた
同時代のレオナルド・ダ・ヴィンチや、ラファエロといった芸術家たちが、遠近法や明暗法を駆使した自然主義な表現をしていたなか、ボッティチェリは中世美術を思わせる装飾的、象徴的な様式をつらぬき、独自の絵画世界を作り上げていた。
そしてこれらの表現は19世紀のイギリスにて再評価され、近代の芸術や文化に影響をあたえた。
休室日は月曜日と、3月22日の火曜日。ただし3月21日および、28日の月曜日は開室している。開室時間は9:30から17:30だが、金曜日は20:00まで開室。(いずれも入室は閉室の30分前まで)
(画像はプレスリリースより)

日伊国交樹立150周年記念 ボッティチェリ展 特設サイト
http://botticelli.jp/