スーパーフラットという芸術活動の形
神奈川県横浜市にある横浜美術館では2016年4月3日(日)までの日程で、村上隆が収集した現代美術を中心としたコレクションを大規模に公開する展覧会「村上隆のスーパーフラット・コレクション -蕭白、魯山人からキーファーまで-」を開催している。
今回テーマで前面に押し出された『スーパーフラット』とは、平面性や装飾性といった造形的な意味のみに限定するのではなく、作品を個々にその並列性、時代やジャンル、既存のヒエラルキーから開放し、枠組みを超えた活動そのものとしている。
つまりそれは作家のその活動全体(人生)の大元にある「芸術とは何か?」という大命題を、さまざまな角度から視点を動かせつつ概念としてとらえるものとなっている。
つまりこれら多数の作品群を通して、村上隆の美意識の厳選、さらには芸術と欲望、そして現代社会における価値成立のメカニズムを考えるところまで行き着くものであり、既存の美術の文脈に問いを投げかける機会となっているのである。
村上隆とは?
村上隆とは、ハイカルチャーとポップカルチャー、東洋と西洋を交差させた完成度の高い作品によって世界的に評価されているアーティストであると同時に、東京藝術大学にて日本画初の博士号を取得している人物である。
そしてキュレーター、ギャラリスト、プロデューサーといった方面でも多岐にわたる活動も展開しており、とくに近年、独自の眼と美意識をもって国内外のさまざまな美術品を蒐集していることでも知られる。
今回その一部が展示されたコレクションだが、現代美術を中心にアジアの骨董やヨーロッパのアンティーク、現代陶芸から民俗資料にまで及んでおり、圧倒的な物量をもっている。
休館日は毎週木曜日で、開館時間は10:00から18:00(入場は閉館の30分前まで)となっている。

横浜美術館 開催中の展覧会
http://yokohama.art.museum/