古今東西の「ニセモノ」を集めた企画展開催
千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館で、3月10日~5月6日まで、企画展「大ニセモノ博覧会 贋造と模倣の文化史」が開催される。負のイメージを持つニセモノにあえて焦点を当てるユニークな企画展だ。
ひとくちに「ニセモノ」と言っても、その時代背景、種類は様々。縄文時代に海から遠い地域に住む人たちが、粘土や石で作成したニセモノの貝の腕輪から、雪舟、狩野探幽などの書画のニセモノ、中国産の天目茶碗を瀬戸焼で模倣した黒釉天目茶碗など、そのニセモノのジャンルや誕生した時代背景は興味深い。
江戸時代に輸出されていた「人魚のミイラ」の作り方は?
中でも注目は、江戸時代から明治時代にかけて日本から輸出されていたニセモノの「人魚のミイラ」。当時は和歌山でミイラ製造が盛んとなり、シーボルトも購入して国外に輸出していた記録もある。企画展では当時のものを参考にしながら、新たに人魚のミイラを製作し、人魚のミイラの作り方とともに実物も公開する。
「ニセモノ」にはマイナスイメージがつきまとうが、その時代背景を映す歴史的な価値を持つ。さらに「ニセモノ」が「ホンモノ」を越えて文化的な価値を持つこともある。奥深く貴重な「ニセモノ」の世界に触れてみてはいかがだろうか。
大ニセモノ博覧会 贋造と模倣の文化史
http://www.rekihaku.ac.jp/exhibitions/project/index.html