結婚でその運命が大きく変わったオーストリアの姫君
東京都港区にある六本木ヒルズ森タワー52階の森アーツセンターギャラリーでは、現在ヴェルサイユ宮殿が監修した「マリー・アントワネット展」が行われている。誰もが知るフランス革命にて断頭台の露と消えた王妃である。
マリー・アントワネットはオーストリアの実質的な「女帝」として君臨していたマリア=テレジアの娘である。しかし第15子ということで、宮廷作法などはあまりしつけられず、のびのびと育った。
だがその彼女も1770年にわずか14歳でフランス王太子(のちのルイ16世)に嫁いだのだが、これにより大きく運命が変わることとなる。
展覧会の目玉である「プチ・アパルトマン」の再現
ヴェルサイユ宮殿には「プチ・アパルトマン」と呼ばれたアントワネットのプライベート空間が存在した。
結婚8年目に生まれた長女のマリー=テレーズ・シャルロットの近くで生活したいために、子供部屋の近くに浴室・図書室・居室の3部屋を確保した。
展覧会ではこのプライベート空間を原寸大で再現している(現在は残っていない図書室はバーチャルリアリティにて再現)。アントワネットの過ごした様子だけではなく、その心情まで伝わってくるようだ。
新発見の恋文やフランス革命での彼女を映し出すものの展示も
ルイ16世との夫婦仲はよかったとされるアントワネットだが、スウェーデン人将校のフェルセン伯爵と恋仲にあったようだ。
2016年1月にフランス国立図書館が、1792年1月4日付けの手紙からその秘密を解明し、今回の展覧会では一部が黒塗りになった手紙の複製および、2人が使った暗号表の実物を展示している。
やがてフランス革命がおこり、形ばかりの裁判で国家反逆罪により死刑判決を受け、37歳で1793年10月16日に処刑された。幽閉中に身につけていた肌着やヘアバンド、断頭台にのぼる際に脱げた靴などの展示もある。
断頭台直前のアントワネットを描いたウィリアム・ハミントンの絵も展示されており、白い部屋着で天を見上げる威厳に満ちた王妃の姿が描かれている。これによって彼女は『歴史のヒロイン』となる。
会期中は無休であり、開館時間は10:00から20:00まで開催している(ただし火曜日および10月27日は17:00まで)。
マリー・アントワネット展 美術品が語るフランス王妃の真実
http://www.ntv.co.jp/marie/