『画壇のライオン』の異名をもつ画家
東京都千代田区にある三菱一号館美術館では、2016年10月19日(水)より2017年1月9日(月・祝)の期間、「背景ルノワール先生 -梅原龍三郎に息づく師の教え」を行う。
この展覧会は、梅原龍三郎(1888-1986)の画業を、フランス近代洋画の巨匠である梅原の師、ルノワールの作品を同時に展覧できる機会となっている。
なお梅原はその豪放な性格から『画壇のライオン』と呼ばれたほどであった画家である。
日本近代洋画の巨匠梅原龍三郎とその師ルノワールの作品も展示
日本で近代化が進み、油彩画が日本に定着したころの1908(明治41)年に、梅原は20歳でフランスに渡り、その翌年にルノワール(1841-1919)に会った。
梅原はルノワールを師と仰ぐと同時に、その制作現場を見、師との対話から多くを学び、さらにルノワールの死去まで親密な関係を築いていった。
その後梅原は、帰国後ヨーロッパで学んだ油彩画に、日本独特の美術画法である桃山美術・琳派・南画といった日本の伝統的な美術を取り入れることにより個性あふれる豪華絢爛な画風を展開していった。
それにより日本の洋画を確立した巨匠として高く評価されるようになったのである。
「蒐集家」梅原龍三郎
今回の展示は、優れた鑑識眼によって「蒐集家」としての面ももっていた梅原が集めた作品も展示される。
師匠ルノワールの作品のほかにも、親交のあったピカソやルオーらの作品約80点も展示される。
梅原はさまざまな画風を統合していった稀有な洋画家の展覧会であるだけでなく、今回の展覧会ではあまり公開されてこなかった作品の展示も行われるため、期間中美術館に足を運ぶことをおすすめする。
休館日は毎週月曜日だが、祝日および振替休日や、展覧会会期の最終月曜日は開館している。くわえて年末や元旦も休館日となる。開館時間は10:00から18:00(入館は閉館時間の30分前)までだ。
「背景ルノワール先生 -梅原龍三郎に息づく師の教え」公式サイト
http://mimt.jp/renoirumehara/