影まで消えてしまう光の姿の訴え
2016年10月22日(土)から2017年1月15日(日)まで、神奈川県立近代美術館 葉山館にてコレクション展『光、この場所で』が行われる。
今回の「コレクション展2:光、この場所で」は『陽光礼賛』に呼応する形で開館当時の『光』を思い起こしながら1960年代以降を中心に『光』を宿した作品を集めて紹介している。
展覧会には青山義雄、猪熊弦一郎、小川待子、川端実、木村忠太、高松次郎、田淵安一、多和圭三、松本陽子、宮脇愛子、李禹煥らの作品を紹介している。
これらの光は陰影を作り出す現実の光を超え、人々の思考や記憶、心の内に何らかの襞をもたらし、静けさ、懐かしさ、希望、ダイナミックな力を与えてくれる光を象徴した作品だ。
特集展示では坂倉新平を取り上げる
なお特集展示では坂倉新平を取り上げる。この作家は岐阜県に生まれたが、1951年に17歳で美術の道を志して上京した。
新平が上京した1951年には建築家の坂倉準三が師のル・コルビュジエに先んじて美術館建築を実現させた(これが2016年3月に閉館した神奈川県立近代美術館 鎌倉館である)。
そして1953年に坂倉準三が新平に対し「美しいものを見るために旅行でもなんでもやるように」と勧め、新平はその言葉に従い世界各地を旅したのである。そして作品にはその記憶が反映されていく。
1993年に「今日の作家たちV-’93 坂倉新平・舟越桂」展が開催されたが、今回はその二人展以降の作品を中心に紹介していく。
戦後の復興期に立ち上がった美術館
神奈川県立近代美術館の開館は1951年の11月である。日本は大戦からの復興期であり、人々のくらしは未だ安定してはいなかった。
しかし文化・芸術の力をもって人間相互の理解を深め、歴史的美術を現代の目で見つめ直すことを方針として神奈川県立近代美術館は鎌倉にて誕生した。
休館日は毎週月曜日(ただし1月9日は開館する)および、12月29日(木)から1月3日(火)であり、開館時間は9:30から17:00(入館は16:30)までである。
なお『陽光礼賛展』の観覧券を持っている場合、同日のみ「コレクション展2」も見ることができる。
コレクション展2:光・この場所で 特集展示 坂倉新平
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/