吉祥を題材とした美術品の紹介
東京都千代田区皇居東御苑内にある三の丸尚蔵館では2017年1月7日(土)から3月12日(日)までの日程で、展覧会「寿ぎの品々を読み解く」を行う。なお会期は前期と後期に分かれており、前期は1月7日から2月5日、後期は2月11日から3月12日だ。
三の丸尚蔵館は皇室に代々受け継がれた品物を収蔵しているため、他の美術館とは一風変わった美術品が見られる美術館だ。
展覧会ではこれらの品々に表された伝統的な吉祥の主題を、明治からの新しい時代の感覚によってどのように表現されたかとういう観点に注目して紹介している。
明治期以降に皇室にもたらされた献上品が主な展示
明治期以降から、皇室の御慶事になると各方面からお祝いの品、としてめでた付くしの掛軸や置物といった美術品が献上されるようになっていた。現在はそれらの一部が三の丸尚蔵館に引き継がれている。
特に鶴と亀および松の取り合わせは、蓬莱模様、蓬莱図と呼ばれていることからも欠かせない主題となっていた。
これらはもともと不老不死を目指すという古代中国の神仙思想からきたものであり、伝統的な題材を、横山大観をはじめとする近代の画家たちはどのように解釈して描いたのかという点は注目すべき点だ。
さらに近代ならではの表現として社頭図(しゃとうず)があり、寺社の境内を俯瞰図で描いたもので、それを身近に飾ることにより参詣の代わりとしていたのだが、やがて名所を描いた名所絵と結びつき、発展していき、様々な美術品に取り入れられることになる。
ほかにも神の使いとされた鹿や鳩、烏などの動物が表された品々に加えて、長寿の象徴である寿老人や霊芝の置物,高砂図なども展示されている。
休館日は1月10日、13日、16日、20日、23日、27日、30日、2月3日、6日から10日、13日、17日、20日、24日、27日、なお3月の休館日は未定である。くわえて臨時休館になる場合がある。
なお開館時間は2月末までは9:00から15:45(入館は15:30まで)で、3月1日からは9:00から16:15(入館は16:00まで)だ。
(画像は宮内庁ホームページトップより)
三の丸尚蔵館 第75回展 寿ぎの品々を読み解く
http://www.kunaicho.go.jp/event/sannomaru/tenrankai75.html