ヨーロッパで再評価される新しい南部鉄器
岩手県の伝統工芸品、南部鉄器を紹介する展覧会「メイド・イン・ジャパン南部鉄器」が、東京・汐留のパナソニック汐留ミュージアムで、3月23日(日)まで開催されている。
南部鉄器は、17世紀半ば、現在の岩手県北部の藩主である南部家が盛岡に築城し、街づくりや文化振興のため、京都から鋳物師や釜師を招いて茶の湯釜をつくらせたことに由来する。その後、大名などへの贈答品として重宝されるようになり、1893年には米国シカゴ万博博覧会に出品。1975年には国の「伝統的工芸品」に指定された。
400年以上の歴史をもつが、最近、海外輸出用のカラフルな南部鉄器のティーポットがヨーロッパのティーサロンで使われるようになり、新たに注目を集めている。各工房では新しい感性やデザインの作品が生み出され、人気をよんでいる。
南部鉄器の歴史と新たな挑戦
この展覧会は3部構成になっており、第1部では、南部藩のお抱え鋳物師・釜師による鉄瓶を中心に展示し、江戸時代から昭和までの南部鉄器の変遷を追う。戦後の作品を紹介する第2部では、現代的でモダンな各工房の南部鉄器を並べている。
第3部では、柳宗理による南部鉄器を中心としたキッチンとダイニングのイメージ空間、内田繁氏による南部鉄器と茶室の組み合わせ、カラフルな南部鉄器のポットを中心としたフランスのティーサロンの空間演出、料理スタイリストの堀井和子氏による南部鉄器をまじえたテーブルコーディネイトなど、第一線のクリエイターによる空間と現代の南部鉄器のコーディネイトが楽しめる。
「メイド・イン・ジャパン南部鉄器
-伝統から現代まで、400年の歴史-」
会期:2014年1月11日(土)~3月23日(日)
会場:パナソニック汐留ミュージアム(東京・汐留)
開館時間:午前10時~午後6時
休館日:毎週水曜日
入館料:一般700円、大学生:500円、中・高校生:200円、小学生以下:無料

メイド・イン・ジャパン南部鉄器 −伝統から現代まで、400年の歴史−
http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/14/140111/