文房具を画材にした新感覚アート
カレンダーのスケジュール管理や、資料の仕分けの目印などとして使用されることが多い丸シール。普段は文房具として以外にほとんど用途のなさそうなアイテムだが、これを“画材”へと昇華し、新ジャンルのアート作品を制作する女性がいる。彼女の名前は大村雪乃さん。今年、多摩美術大学を卒業したばかりの新進気鋭のアーティストだ。オリジナルの抽象表現を模索した結果、丸シールのみで点描画を描く「丸シールアート」を思いついたのだという。
丸シールのみで夜景を描くという手法で注目を浴びる大村雪乃さん。後ろの絵は今回のワークショップで作成予定の作品「Beautiful Midnight」のコピー。
これまで夜景を中心に作品を発表してきた彼女だが、なかでも代表作といえるのが「Beautiful Midnight」。ザ・リッツカールトン東京のスイートルームから見下ろす六本木の夜景を描いたもので、同作品は昨年「Tokyo Midtown Award 2012」にて「オーディエンス賞」を受賞している。
六本木の夜景を作る!?ワークショップに長蛇の列
先日の3月23日から24日にかけて開催された「六本木アートナイト2013」では受賞者たちの特別プログラムが組まれ、大村さんは参加型ワークショプ「シールdeアート」でイベントを盛り上げた。
ミッドタウン内の「ストリートミュージアム」では大村さんの3作品を展示。
ワークショップの内容は、参加者たちがそれぞれ割り振られた部分へ設計図通りにシールを貼っていき、「Beautiful Midnight」と同じ構成の1.8m×1.3mを超す大きな六本木の夜景の絵を完成させるというもの。1人の所要時間はほんの15分ほどで、誰でもアート作品を作ることできるという気軽さから、受付終了まで参加を希望する人たちの列が絶えない人気イベントとなった。参加者たちの手には次々とシールが配られ、一晩かけて貼られたシールの数はなんと約1万枚。小さな丸シールの1つ1つが灯りとなり、幻想的な六本木の夜景へと大変身を遂げた。
シールを貼るだけの簡単な作業だが、作品作りに参加することで誰もがアーティスト気分を味わうことができた。
夜景の色彩も表現できる「丸シール」
今回のワークショッップで制作された丸シールアートの一部は、実は株式会社ニトムズより提供された「マスキング丸シール」で構成されている。同社のステーショナリーブランド「
STALOGY」から発売されている商品で、発色の良い薄くて丈夫な和紙からできており、独特の透け感が特徴だ。
全13種類のカラーバリエーションと3種の大きさが揃う、ニトムズの「マスキング丸シール」。単なる文房具としてだけではなく、装飾が点描画の画材としても大活躍!
「ニトムズの丸シールは半透明なので重ねることで色に変化が生まれ、より繊細な色の表現をすることができます。」
と製品の魅力を語ってくれた大村さん。「マスキング丸シール」ならではの性質が、夜景の細かな色彩を表現するのに大いに役立ったようだ。
作品はミッドタウンのメトロアベニューにて4月14まで展示を予定している。
今回の「ストリートミュージアム」の展示作品の一つでもあり、「STALOGY」の「マスキング丸シール」だけを使用して作られた作品「長崎の夜景」。

株式会社ニトムズ ステーショナリーブランド「STALOGY」
http://stalogy.com/