内面にある死を見つめ描いた画家
茨城県笠間市にある笠間日動美術館では、2016年5月29日(日)までの日程で、企画展『鴨居玲 死を見つめる男』を行う。
鴨居玲が没してから30年という節目の年だった2015年は、全国4箇所を回る大規模な回顧展が行われた。
その際会場には20代、30代という若者が多く身受けられた。現代は将来に対する不安が非常に大きい社会となっており、そのため若者たちは自己表現というものに迷っている背景もある。
企画展概要
今回の展覧会は鴨居の出身地であり、その作品を多く所蔵する石川県立美術館の協力を得ている。
作品は初期のものから円熟のパリ・スペイン時代、帰国後の初めての裸婦・自画像の時代、そしてアトリエにのこされた絶筆の自画像まで油彩・水彩・素描を含めた約100点を展示している。
この鴨居玲という洋画家は、内面に宿る本当の自己をカンヴァス上に表現することを試みていた。
鴨居は役者のような風貌をもっていながら、その自画像は死と対峙するかのような苦しげな面持ちを描くような本質的な自己投影にて作品を描いていた。
そのため今回は習作のデッサン類から、書簡や愛用品といったものまで鴨居を知るための貴重な資料にくわえ、身近に使用していたアンティークを「鴨居玲の部屋」といったコーナーで数多く公開し、その人物像にまで迫るものとなっている。
美術館の休館日は月曜日(祝日にあたる場合は開館し、翌日閉館)であり、9:30から17:00(入館は閉館の30分前まで)となっている。
(画像はプレスリリースより)
鴨居玲 死を見つめる男 プレスリリース
http://www.nichido-museum.or.jp/