戦争により中断された留学
東京都世田谷区にある世田谷美術館分館 宮本三郎記念美術館では2016年7月24日(日)まで、『宮本三郎の青春 -その戦中までの歩み』を行っている。
宮本三郎は1938年より渡欧し、研鑽をかさねていたが、第二次世界大戦の勃発により帰国を余儀なくされ、戦地に主き従軍画家として制作を重ねることとなる。
戦後は作戦記録がを描いたことで厳しい視線を浴び、戦中とは一変した価値観のなかで宮本はやがて新たな画題に取り組み、画家としての再出発をはかっていく。
この展覧会ではそのような背景があった1945年までの画業を展示している。なお次の第II期収蔵品点では、戦後から晩年のあざやかな裸婦像に到達するまでを紹介する。
宮本三郎について
宮本は石川県小松市に生まれ、15歳のときに画家になる夢を抱き、17歳で上京する。それからは川端画学校で藤島武二らに学んでいたほか、安井曾太郎にも個人的な指導を受けていた。
やがて22歳で二科展に初入選を果たしたのちは、女性や裸婦、身近な家族を描いたみずみずしいい色彩感覚と巧みなデッサン力に支えられていた作品が画壇で注目されるようになっていった。
そして宮本は1938年、33歳で渡欧を果たしたのち戦争で日本に呼び戻されるまでは、画塾のアカデミー・ランソンに通いつつ、ルーヴル美術館で模写に励む日々といった研鑽の日々を過ごしていたのである。
この展覧会は戦争というものが芸術にもたらす影響についても考える場ともなる。
休館日は毎週月曜日で、開館時間は10:00から18:00(入館は17:30まで)となっている。

世田谷美術館分館 宮本三郎記念美術館 宮本三郎の青春 -その戦中までの歩み
http://www.miyamotosaburo-annex.jp/exhibition.htm