『青い家』での遺品撮影
東京都中央区銀座にある資生堂ギャラリーでは、2016年8月21日(日)の期間、写真家石内都の個展である「Frida is」を開催している。
この展覧会では石内都のシリーズ作品である『Frida by Ishiuchi』、『Frida 愛と痛み』のシリーズより31点が展示される。
このシリーズは、2012年にメキシコシティのフリーダ・カーロ博物館からの依頼でメキシコを代表する画家であったフリーダ・カーロの遺品をフリーダの生家である『青い家』と呼ばれる博物館で3週間にわたって撮影したものである。
フリーダ・カーロとは
フリーダ・カーロは20世紀前半の女性アーティストが少ない時代に、自分自身のアイデンティティを模索しつつアーティストの地位を築いた人物である。
幼少期の病気や事故で体が不自由であったにもかかわらず、コルセット装飾を施したり、民族衣装を自分の体に合わせてアレンジしたりと、苦しい状況の中でも常に美を意識して生き抜いた人物である。
死後50年後に開かれたタイムカプセル
この遺品はフリーダの死後50年となった2004年に封印が解かれたものであり、フリーダが身につけていたコルセットや衣服、靴、指輪などの装飾品に加えて、櫛や化粧品、薬品などが含まれていた。
石内は自然光の中で35ミリフィルムカメラを使用し、フリーダを波乱にみちた人生を送ったヒロインとしてとらえるのではなく、痛みと戦いながらも希望を失わずに生き抜いたひとりの女性の日常をとしてとらえる形で撮影を行った。
そのフリーダの遺品を撮影した作品は、2013年11月に「PARIS PHOTO 2013」で初公開され、その後メキシコの出版社であるRMより写真集も発売された。
2015年にはロンドンのマイケル・ホッペン・ギャラリーで初の大規模な展示が行われ、日本ではメキシコでの撮影過程に密着した小谷忠典監督作品のドキュメンタリー映画の『フリーダ・カーロの遺品 -石内都、織るように』が話題を呼んだ。
休館日は毎週月曜日(祝祭日も休館)で、開館時間は平日が11:00から19:00までで、日・祝祭日は11:00から18:00までである。

資生堂ギャラリー 開催中の展覧会
http://www.shiseidogroup.jp/