館蔵品より選りすぐった特別展
東京都渋谷区にある山種美術館では、2016年7月2日(土)より8月21日(日)まで、開館50周年記念特別展として、館蔵品の中から名品を選りすぐって紹介する特別展の「山種コレクション名品展I 江戸絵画への視線 -岩佐又兵衛から江戸琳派へ-」を行う。
展覧会の見どころ
この展覧会の見どころは、秘蔵の江戸コレクションが6年ぶりに一挙公開されることにくわえ、各画家の代表作に数えられる作品も所蔵しているため、見応えのある優品の展示が行われることや、江戸絵画の多彩な歴史が概観できることである。
浮世絵の祖とうたわれる岩佐又兵衛の『官女観菊図』や、椿椿山の『久能山真景図』をはじめとする重要文化財2件および、『竹垣紅白梅椿図』などの重要美術品3件、琳派の俵屋宗達や酒井抱一から、文人画の池大雅、そして奇想の画家として名高い伊藤若冲、そして狩野派や円山四条派、復古やまと絵にいたるまで、諸派の優品を紹介している。
さらに50周年にちなんで、この美術館とゆかりの深い、横山大観、上村松園といった明治・大正期に活躍した近代の日本画家の作品も特別に展示する。
庶民にまで文化が享受された時代の作品
近年、江戸中期の画家である伊藤若冲にスポットが当たっていることをきっかけとして、江戸絵画に対する関心が高まっている。
そもそも江戸時代は公家や武家だけではなく、庶民にいたるまで文化を享受できる層が拡大された希有な時代であった。
そのためまるで綺羅星のように、つぎつぎと個性豊かな芸術家たちが登場し、新たな潮流が生み出されていった。山種美術館のコレクションは、こうした江戸絵画の多彩な歴史を概観することができ、小規模ながらも質の高い作品がそろっている。
休館日は月曜日(ただし7/18は開館し、7/19が休館日となる)であり、開館時間は10:00から17:00(入館は16:30まで)となっている。

山種美術館 展覧会
http://www.yamatane-museum.jp/exh/2016/edo.html