歌川広重の代表作を展示
東京都墨田区にある江戸東京博物館では、2015年5月10日まで常設展示室のリニューアルを記念して、『広重「名所江戸百景」展』の展示を行っている。
「名所江戸百景」は、歌川広重の代表作として位置づけられる名所絵のシリーズで、1856(安政3)年から広重が亡くなった翌年の1859(安政6)年まで刊行が続けられた作品である。
今回の展示では全120枚の作品(2代広重作画、目録を含む)を前期と後期に分けて展示している。
この作品は江戸の多彩な都市景観と風俗を描いており、後年この作品は後期印象派の画家であるゴッホにも影響を与えたことでも知られており、国内外でもっとも有名な浮世絵の一つである。
作品の特徴など
この作品は拡大した近景から遠景を書く革新的な手法や、極端に遠景を強調するなどの斬新な構図を特長としていて、彫り・摺りの店も優れた技術が用いられており、完成度がひじょうに高い。
江戸の名所を100枚シリーズで出版するという企画は本邦初であり、これまで名所として取り上げられていない場所までも多数描く点をみても、広重の意欲のほどがうかがえるシリーズである。
幕末期の最後ともいえる江戸情緒の風景の一端を覗くことができる作品群である。ゴールデンウィーク期間中に閲覧してはいかがだろうか。
(画像はプレスリリースより)

江戸東京博物館 展覧会 特別公開 広重「名所江戸百景」展
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/