「ほっこり」という言葉から再考する日本人の感性
神奈川県横須賀氏にある横須賀美術館では、2015年6月14日まで企画展として『ほっこり美術館』が開催されている。休館日は6月1日。
なお、横須賀美術館サイトには携帯電話用の『割引券』画面もあり、提示することにより企画展での観覧料が100円引きになる。
「ほっこり」を好む感性を探求する
この企画展は近年「ほっこり」という言葉が人々の口に上る機会が多くなったことから、その点に注目して日本人の感性のありようを再考するための展示会である。
まず「ほっこり」や「ほっこりする」という言葉から連想されるのは、温かさやふこふこした柔らかさ、「なごみ」や「いやし」という言葉が表す心的な満足に近いもの、ふくよかで丸々とした形状など様々である。
このような感覚を好む感性は、現代特有なものなのか、もしくは日本人の感性に通底しているのかという点が疑問として浮かび上がる。
そのためこの展示会では3つのテーマを設け、従来「美」を基準に語られてきた作品を「ほっこり」という現在の感性を反映したものをキーワードとして、鑑賞者の感情や心情からとらえなおすことで現在の日本人がもつ感性のありようを考えなおすとしている。
テーマと内容は次のようになっている。
・「ちいさきものたち」
表現対象の属性から生まれる、幼いものや小さいものといったもの
・「かたちから生まれるもの」
作家の造形に注目した丸いかたち、柔らかな色調といったもの
・「こころ動かすもの」
鑑賞者に郷愁やせつなさといった感情を呼び起こすテーマや物語性をもっているもの
集められた作品も浮世絵あり、油絵あり、さらにはハニワも、とさまざまなものがあるため、普段あまり触れないジャンルを鑑賞することにより生まれる楽しみもありそうだ。

横須賀美術館 企画展 ほっこり美術館
http://www.yokosuka-moa.jp/exhibit/kikaku/1501.html