東山魁夷ゆかりの地での展覧会
千葉県市川市にある、市川市東山魁夷記念館では2016年2月28日までの日程で、開館10周年記念展「東山魁夷 心象の世界」を開催している。
魁夷は20世紀の日本を代表する日本画家であり、市川市は魁夷が戦後まもない1945年から、1999年に亡くなるまでの50余年、その生涯の大半を過ごしたゆかりの場所である。
魁夷は1947年の第3回日展に『残照』を発表し、特選を受賞している。これは過酷な戦争体験を経た魁夷が、千葉県鹿野山から九十九谷のながめを描き、戦後の再出発という意味が表された記念碑的作品である。
そして『残照』の発表により魁夷は、風景を描くことへの喜びを見いだし、その後は「大自然と共に在ることの喜びを謳うこと」をテーマとして、風景との対話により、多くの名作を生み出すこととなった。
精神性を取り込んだ風景画
やがて日本画壇における地位を確かなものとした魁夷は、その後北欧での清らかな風景に出会うと、風景画家として新たな境地をさらに拓いていき、自分の内面を自然の風景に投影するという表現を確立していった。
その後描かれていった作品に表れる静かで美しい画面は、生きていることの感動から表現される深い精神性を備えるようになったのである。
休館日は毎週月曜日と年末年始(2015年12月28日から2016年1月2日まで)、および2016年1月12日。開館時間は10:00から17:00(入館は16:30まで)となっている。
(画像はイメージです)
開館10周年記念展「東山魁夷 心象の世界」
http://www.city.ichikawa.lg.jp/higashiyama/003.html市川市東山魁夷記念館
http://www.city.ichikawa.lg.jp/higashiyama/index.html