豪華絢爛な祝宴を彩ったガラス器
ヴェネチア貴族が祝宴で使ったガラス器を紹介する展覧会「華麗なるヴェネチアン・グラス─祝宴の器展」が、箱根ガラスの森美術館で11月24日(祝)まで開催されている。
近世までイタリアには小さな国が割拠していた。そのうちのひとつがヴェネチアで、5世紀から1100年以上も続いた。貿易や外交によって繁栄したこの小国では、王侯貴族たちが他国の貴賓をもてなすため、豪華な祝宴を開催。ヴェネチアのガラス職人たちによる華やかなガラス器は宴の席を彩り、各国から高く評価されていた。
ヴェネチアン・グラスは古代ローマに起源をもつとされる。13世紀には「ガラス製造業者および工人・助手、家族等のすべてをムラノ島に移住させ、島外に脱出する者には死罪を課す」との規制がかかるほど国によって強力に保護され、以降、現代までムラノ島を中心として生産され続けている。
ミサにもヴェネチア・グラスを使用
本展では、約100点のヴェネチアン・グラスを、3つのセクションにわけて展示する。最初のセクションは「貴族の祝宴」と題し、王侯貴族が饗宴の席で用いたガラス器を紹介。続く「教会の愛餐」では、キリスト教のミサで使用されたゴブレットや聖餐坏を披露し、最後のセクションではヴェネチアの工房で活躍する作家大平洋一氏によるワイングラスを並べる。
(画像は公式サイトより)

華麗なるヴェネチアン・グラス─祝宴の器展
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