西洋で大流行した“日本趣味”
19世紀後半から20世紀初頭に西洋で流行したジャポニスムの作品を展示する「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展」が、東京の世田谷美術館で、9月15日まで開催されている。
1850年代、日本の開国とともに、浮世絵や掛け軸、陶磁器や扇子など、あらゆる日本の品々が西洋へ渡り、日本趣味が大流行した。とくに浮世絵は画家たちに大きな影響を与え、印象派を中心にその芸術作品のなかに取り入れられ、近代絵画の革新へとつながっていった。
ジャポニスムの代表作「ラ・ジャポネーズ」
同展では、45万点を超えるボストン美術館の収蔵作品から、絵画や版画、写真、工芸など厳選された150点のジャポニスム作品が展示される。見どころは、印象派の画家・モネの傑作「ラ・ジャポネーズ」。いくつもの団扇が並べられた壁と畳を背景に、鮮やかな朱の着物をまとった西洋女性の肖像画で、初期ジャポニスムを代表する名作として愛されている。
そのほか、ルノワールやゴッホらによる印象派の名品と浮世絵を見比べるセクションや、日本の螺鈿技術を用いたティファニー製のインク壺などを展示するコーナーも興味深い。
期間中には、オリジナルの団扇づくりや、「ラ・ジャポネーズ」の着物を羽織って写真撮影ができるワークショップも開催される。

ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展
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