伝統か環境か 京都の風物詩「火炉祭」が今年より大幅変更
室町時代から伝わる京都の一大行事である「吉田神社節分祭」。約800店もの露店が並び、特に3日に執り行われている「火炉祭」は、大きな炉に積み上げられたお札に火が付けられ、火柱が冬の京都に上がる京都の2月の風物詩だ。この「火炉祭」について、今年より神事の内容に大幅変更が行われることが発表された。
神事の変更理由は、京都市からの環境行政指導。古いお札を焼いた後の灰の処分方法の変更を求められ、費用の工面が付かず、大規模な焼き納めを断念した。吉田神社側は、神事を伝承する大切さは理解しつつも、現在の環境保全の観点から、時流とともに形を変えながら信仰・伝統の本来の意義を護り継承していくことが最も大切なこととホームページ上で表明した。
火炉祭は変更して実施 古札の持ち込みは例年通り受け付け
参拝者からの古札の持ち込みは例年どおり受け付けており、火炉祭以外の神事についてはこれまでどおり行う。火炉祭は、火炉の周囲に御幣(ごへい)を立て、そこに古札に宿る神を移して御幣を燃やすことで、伝統の根幹を守る。
環境保全と伝統・信仰の継承。形を変えながらもしなやかに脈々と受け継がれる京都の新しい風物詩に注目が集まる。

吉田神社節分祭
http://www.yoshidajinja.com/setubunsai.htm