江戸と明治それぞれを代表する風景画
東京都渋谷区の神宮前にある、太田記念美術館では2015年4月1日から5月28日までの日程で特別展「広重と清親 ー清親没後100年記念」を行っている。
展覧会は前期4月1日から4月26日まで、後期5月1日から5月28日までで、前期と後期は全作品の入れ替えを行う。
この展覧会期間中の休館日だが、4月は6、13、20、27、28、29、30日、5月7、11、18、25日となる。なおこの美術館には駐車場がないため公共の交通機関にて来館してほしいとのことだ。
歌川広重は江戸の、小林清親は明治の風景画の雄として活躍した浮世絵師である。もうすぐ「東京」が誕生してから150年となることもあり、江戸から東京への変化をそれぞれの時代の風景画で追うという構成ともなっている。
歌川広重とは
広重の抒情ある風景画は、日本はもとよりゴッホやモネなど海外でも多くの人々を魅了していることで知られる。
構図の妙だけでなく、当時新たに登場した絵具の「ベロ藍(ベルリアンブルー)」を多く用いて描かれたことも特徴となっているため、この美しさは「広重ブルー」とも称され愛されてきた。
この展示会では初期作品の『東都名所』、出世作の『東海道五十三次』、晩年の名作『名所江戸百景』などの名品が見れる。
小林清親とは
そして清親だが、西洋絵画を学習していたこともあり、それまでの浮世絵版画に見られなかった手法で夕日や月、街灯などが生み出す陰影を繊細な描写しているため、作品は「光線画」とも呼ばれている。
くわえて清親は、明治に入って失われつつあった江戸の名残も描き留めてもいる。この江戸情緒は作家の永井荷風などにも愛された。
今展示会では代表作の『東京名所図』、広重へのオマージュが込められた作品の『武蔵百景』を展示することにより、広重との比較にてより深く清親の表現の魅力を掘り下げる。
(画像はプレスリリースより)

太田記念美術館
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/