日本でもっとも有名な絵巻の展示
東京都台東区上野公園にある東京国立博物館では、特別展として「鳥獣戯画ー京都 高山寺の至宝ー」を平成館特別展示室にて2015年4月28日から2015年6月7日まで開催すると発表している。
鳥獣戯画は誰もが一度は目にしたことのある、日本でもっとも有名な絵巻である。
墨線のみながらも、動物や人物たちがこのうえなく躍動的に描かれている日本絵画史上屈指の作品だ。
このたび全巻の修理が終わったため、その魅力を一新した鳥獣戯画の全貌を紹介するはこびとなった。
鳥獣戯画は国宝である甲・乙・丙・丁4巻とともに、この4巻から分かれて国内外に所蔵される断簡(いくつかの場面が分かれ、掛け軸に仕立て直されて伝来したもの)5幅も集結され、特別展では現存する全ての鳥獣戯画を見ることができる。
ほかにも京都高山寺伝来の至宝などが公開される
展覧会ではほかにも高山寺伝来の至宝が展示される。
重要文化財の『子犬(こいぬ)』や、『神鹿(しんろく)』の木像および、仏画を描く際の手本ともなった白描図像(密教図像)のひとつである『梵天火羅九曜図 (ぼんてんからくようず)』の公開がある。
くわえて国宝指定の『明恵上人像(樹上坐禅像) (みょうえしょうにんぞう(じゅじょうざぜんぞう))』、『華厳宗祖師絵伝 義湘絵 巻第三(けごんしゅうそしえでん ぎしょうえ)』、『華厳宗祖師絵伝 元暁絵 巻第二(けごんしゅうそしえでん がんぎょうえ)』なども展示される予定である。
ただし会期中は前期・後期にわけて一部作品および場面の展示替を行う。鳥獣戯画については全4巻の前半部分が前期、後半部分が後期に展示される。前期日程は4月28日から5月17日、後期日程は5月19日から6月7日となっている。
なお展覧会公式ホームページ「鳥獣人物戯画 web絵巻」では甲・乙・丙・丁の全場面を見ることができるため、前期・後期どちらか片方しか見られない、もしくは博物館を訪れられない人でも鳥獣戯画を楽しむことができる。
なお東京国立博物館には駐車場がないため、訪れる際は公共交通機関を利用して欲しいとのこと。

東京国立博物館 特別展「鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─」
http://www.tnm.jp/鳥獣人物戯画 web絵巻
http://www.chojugiga2015.jp/emaki/index.html