掛け軸を中心にした古美術展
茨城県水戸市にある茨城県立歴史館では2015年4月11日から5月17日まで、テーマ展の『古美術ワンダーランド』を開催する。
今回の展示では、茨城県歴史館から掛け軸を中心に感性やセンスを伝えると同時に好奇心をくすぐる絵画の展示を主としている。
なお展示解説も行われるが、スケジュールは4月19日(日)、5月2日(土)、5月16日(土)の各日11時からと14時から。
身の回りで使いこなされていた『古美術』
現在、美術品というと、鑑賞のみを前提としたかしこまったイメージがあるかと思われる。
しかし昔の日本人は古くから身の回りに「花鳥山水」というような、自然を題材にした図様もしくは飾りなど、デザイン性のあるものを置いてさりげなく使いこなしてきた。
そもそも「美術」という言葉は西洋でいう「ファイン・アート」の訳語であり、明治初期に誕生した言葉である。
そのため明治初期から、その当時は庶民にまで浸透していた耽美で爛熟した美の文化に、国外からもたらされた「合理・経験主義」の考えかたがこれに入り交じったこともあり、新時代の模索と葛藤がみられていた。
こういった背景があるため、江戸後期から明治の時期を「美術」はどう表現したのかという、日本美術史のひとつの切り口も見ることができる展示会である。

茨城県立歴史館
http://www.rekishikan-ibk.jp/