ニセモノから読み解く文化の展示
千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館では、企画展示室A・Bにて2015年5月6日まで『大ニセモノ博覧会-贋造と模倣の文化史-』を行っている。休館日は月曜日(休日の場合は翌日が休館日となる)。
ホンモノとニセモノの文化的対比を行っている
現在の日常生活で「ニセモノ」といえば、お金をもうけるためだけの「食品偽装」や「ニセブランド」といった、他人をだますために作られたものであることが大半である。
しかし本来、「ニセモノ」と「ホンモノ」いうものは非常に微妙な関係にあり、「明と暗」「黒と白」といった単純な分け方ができないものも数多くある。ときには「ニセモノ」が、文化的な価値では「ホンモノ」を乗り越えて文化的な創造性を発揮することも。
くわえて博物館などで作られる研究目的の「ニセモノ」は、むしろ「ホンモノ」よりも研究価値が高い場合もある。
この企画展示では単なる「ホンモノ」と「ニセモノ」の対比には終わらず、時代や社会背景によってこれらがどのような原理で振幅してきたのかを明らかにする。
主な展示テーマ
博物館の展示テーマとしてはつぎのようなものが見どころとなっている。
・安南陶器ニセモノ事件
・ニセモノの地域性
・偽酒・似印酒
・焼き物の模倣と技術
・縄文人のイミテーション
・織田信長が東大寺へ宛てた文書(本物)
・偽金を作る
・人魚のミイラのイミテーション
連休中に足をのばし、過去の文化へ触れる一端ともなるこの博覧会を閲覧してはどうだろうか。

国立歴史民俗博物館
https://www.rekihaku.ac.jp/index.html