『博多の仙厓さん』として知られるユーモアあふれる禅僧の展覧会
東京都千代田区にある出光美術館では、開館50周年記念イベントとして江戸時代の禅僧仙厓(せんがい)の作品をあつめ展示する『大仙厓展 -豊禅の心、ここに集う』を行う。日程は2016年10月1日(土)から11月13日(日)となっている。
今回の展覧会では出光美術館所蔵の品にくわえて、福岡市美術館および九州大学文学部の作品も合わせて展示する。
仙厓とその作品
仙厓(1750-1837)は美濃(現在の岐阜県)に生まれた江戸時代の人物で、笑いとユーモアを通して禅の教えをひろめた臨済宗古月派の禅僧である。描いた作品は軽妙さかつ洒落がこめられていて、最近では『かわいい』画としても人気を集めるようになっている。
仙厓の作品は住持をつとめた博多にある最古の禅寺である聖福寺(しょうふくじ)や隠居所だった虚白院(きょはくいん)のある幻住庵(げんじゅうあん)に数多く伝わっている。
それ以外のものは出光美術館の初代館長である出光佐三が蒐集したコレクションのほか、仙厓ゆかりの地にある福岡市美術館コレクションや九州大学文学部コレクション(中山森彦旧蔵)などがある。
今回が東京初公開の作品も
この三大コレクションの名品が勢揃いするのは昭和61(1986)年に仙厓150年遠諱を記念し、福岡市美術館で開催された展覧会以来、30年ぶりとなる。
いずれもその成立の歴史を反映した特徴のある内容を持っていて、質量ともに優れているため様々な展覧会を通して広く知られてきた。
東京では初公開となる着色画の「章魚(タコ)図」なども公開される。今回の作品を通して仙厓の表現世界をより広く、深く楽しみながら禅の心に触れる機会となれば、としている。
休館日は毎週月曜日(10月10日は開館)で、10:00から17:00まで、金曜日のみ10:00から19:00まで開館している。最終入館は閉館の30分前までだ。

出光美術館 展覧会情報
http://www.idemitsu.co.jp/