滋賀県の古刹櫟野寺(らくやじ)の仏像群
東京都台頭区上野公園内にある、東京国立博物館では現在特別展として、「平安の秘仏 -滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」を2016年12月11日(日)までの日程で行っている。
滋賀県甲賀市の天台宗の古刹である櫟野寺には、平安時代の仏像が20体も伝えられている。これらはすべて重要文化財にも指定されているだけでなく、優れた仏像が数多く残っている滋賀県の中でも、その美しさは特筆すべきものである。
なお、20体の仏像すべてが寺外で初めて展示される機会であることにくわえ、秘仏も含まれる展覧会となっている。
理想美を追い求めて造られた仏像群
本尊の十一面観音菩薩坐像は高さが3mもあるため、非常に迫力があり、一見重厚感を感じてしまうが、その美しい顔立ちは見る人に安らぎを与える。
さらに高さが約2.2mほどの、仏像の理想とされる周丈六(しゅうじょうろく)の大きさである薬師如来坐像は、そのおだやかな表現を際立たせている。
他にも11体の観音や、武神でありながらどことなく親しみがわく印象をもった毘沙門天立像や、像内の銘文から文治3(1187)年に造られたことが確認できている、貴重な地蔵菩薩坐像も出品されている。
今回の展覧会は平安彫刻の傑作を一度に見ることができる貴重な展覧会であるため、仏像に興味がある人だけではなく、理想美をテーマにした彫刻を見たいと思っている人は、ぜひ訪れてみたいところだ。
休館日は毎週月曜だが、月曜日が祝日の場合は開館し、翌日に休館する。開館時間だが、9:30から17:00(最終入館は16:30)まで。
東京国立博物館 特別展「平安の秘仏 -滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」
http://www.tnm.jp/